皆様、こんにちは。

 子供のケンカに親が介入することがあります。

 私も小学生の頃を振り返ると、「学校に○○の親が来て・・・。」、「外で遊んでいたら○○の親が来てケンカのことですごく怒られた。」といった話を聞いたことがあります。

 子供心からすれば、親の介入ほど目の上のたんこぶに感じるものはありません。自分達で何とかできるのに、別に助けを求めたわけではないのに、等と思ったことはあります(こう思うのは私だけでしょうか?)。

 しかし、親には子供の面倒をしっかり見る権利と責任があるのです。

 ご存じの方が多いかと思いますが、通常、法律上の親は自らの子(血のつながりは関係ありません。)に対して親権を持っています。

 条文上、身上監護権(民法820条)、財産管理権(民法824条)、身分行為に関する代理権等が明記されています。

 例えば、身上監護権とは、子供の監護教育する権利であり義務を意味しています。このため、親には方法の自由こそあれ、子供が健やかに成長をするように見守り、時には指導する権利義務があるのです。具体的内容として、居所指定権(民法821条、子が住む場所を決める権利)、懲戒権(民法822条、子をこらしめる権利)、職業許可権(民法823条、子が仕事する際して許可する権利)があるといわれています。

 懲戒権に照らしていえば、子供のケンカに親が出る権利はあるのです。

 他方で、親のケンカに子供が関わることがあります。

 婚姻中は夫婦の共同親権となっています(民法818条3項本文)が、例えば協議離婚する場合、協議してどちらか一方を親権者としなればならないことになっています(民法819条1項)。

 子供は兄弟で何人もいるかも知れませんが、離婚するにあたって、ある1人の子の親は1人しかいない状況になるわけです。

 子供に思い入れのある親は当然、「親権が欲しい!」というお話になります。夫婦双方が思い入れを持っていれば当然争いになります。

 先ほど述べましたように親権者が決まらないと離婚ができませんので、協議で決まらない場合、例えば、裁判で争っている場合には裁判官が判決で一方を親権者と決めることがあります(民法819条2項)。

 そして、判決に至るまでに裁判所の調査官が親と面接をしたり、家庭訪問をしてお子さんの様子を見たりするなどして、裁判官に詳細な報告を行います。親がどんなに望んでも、最後は子供の環境、子供の意思に左右されることが多々あります。

 おそらく、相手方に対する対抗意識だけで親権を争ってもなかなか厳しいでしょう。普段どれだけお子さんに愛情を注いできたかが試されたりもします(もちろん経済的状況等も重要です。)。

 離婚を想定してというのはいささか無粋ですが、常日頃お子さんとの時間を大切にし、写真や日記等の記録に残して保管しておきましょう。母性優先の原則という言葉もありますが、子育てに情熱を注ぐご主人が相手、というケースもあり得るので、お母さんも油断はできません。

 今回もお付き合いいただきありがとうございました。