弁護士法人ALG&Associates大阪支部の弁護士の合田です。今回は、判例の紹介をしたいと思います。

 紹介する判例は、性交渉がないことを原因として離婚した場合の慰謝料請求が認められるかという点に関する判例です。事案の概要としては以下のとおりです。

 X(妻)は、昭和62年6月にY(夫)と見合いの上で結婚。Xは結婚前まで、月収25万円の収入を得ていましたが、結婚を機に仕事をやめました。結婚当時、Xは35歳、Yは44歳でした。結婚に際し、Xは家具等の購入費として約447万円を支出しました。これらの家具は婚姻生活を継続しないのであれば必要のないものでした。

 結婚後、XとYが別居するまで一年程度ありましたが、その間、Yは性交渉を求めたことはなく、また、Xに指一本触れることはありませんでした。

 その後、昭和63年6月にXが家を出る形で別居を開始し、昭和63年7月にXとYは協議離婚しました。Xは離婚後、従前と同じ職業に就きましたが収入は以前の3分の1以下となりました。

 XはYに対し、離婚による慰謝料として1000万円を請求する訴訟を提起しました。

 これに対し、裁判所はYが性交渉に及ばなかった理由については判然としない部分があるものの、XとYとの間の婚姻生活が短期間で解消されたのは、専らYのみ原因があるとし、X側の過失相殺についても認めませんでした。その上で、Yに対し500万円の慰謝料の支払いを命じました。

 今回の判例は、事例判断ではあり、一般化できるものではありませんが、Xが購入した家具代や仕事を辞めたことによる逸失利益等を考慮して比較的高額の慰謝料請求が認められたと言えます。

 上記にも述べましたが、具体的な事例ごとに判断は異なる可能性がありますので、同一のお悩みを抱えていらっしゃる皆様はお気軽に弊所までご相談下さい。

弁護士 合田 恵介