弁護士法人ALG&Associates大阪支部の弁護士の合田です。
 今回は、判例の紹介をしたいと思います。

 紹介する判例は、妻が夫と不貞相手が同棲することについての差止めを請求した事案です。

 妻と夫は昭和50年9月に婚姻し、昭和51年に長女、昭和54年に長男が生まれました。その後、昭和54年頃から夫と不貞相手は交際を開始するようになりました。

 平成10年になり、妻と夫及び不貞相手とで話し合いがなされ、妻は、不貞相手が夫と今後交際しないよう念書の差入れを要求したが、不貞相手はこれを断りました。その後、夫は妻と同居していた自宅を出て、妻と別居するようになりました。

 妻は、不貞相手に対して慰謝料を請求すると共に、不貞相手が夫と会うこと(面会)や同棲の差止めを求めました。

 裁判所は、慰謝料の請求は認めましが、面会の差止めに関しては、そもそも会うこと自体が違法になることは到底いえないということから差止めを認めませんでした。

 同棲の差止めについては、妻と夫との婚姻関係が平常のものに復するのは相当困難であることや、妻としても離婚はやむなしと考えているものの夫と不貞相手とが同棲することは許せないとの気持ちから離婚に応じていないことを考慮すると、夫と不貞相手との同棲によって直接的かつ具体的に妻と夫との間の平穏な婚姻生活が害される関係にはなく、侵害されるのはもっぱら妻の「精神的な平和」であり、そのように侵害される利益が精神的損害である場合には差止請求は認められないと判示しました。

 今回の判例はあくまで事例判断ではありますが、配偶者と不貞相手と面会や同棲をすることに対する差止請求は認められないと判断しました。

 差止めを認めるということは、相手方の行動に強力な制約をもたらすものですから、今回のような事例と同様の事情が認められる場合に差止めが認められることは難しいといえます。

 もっとも、当該判断は事案ごとによって異なるものですので、お抱えのお悩みについてはお気軽に弊所までご相談いただければと思います。

弁護士 合田 恵介