1.はじめに

 一口に離婚といっても、離婚をする際に問題となる事項は、親権・養育費・慰謝料・財産分与等、様々あります。

 では、離婚する際には、これら全てを決めてからでなければ離婚できないのでしょうか。

2.親権者のみ決めれば離婚できる!

 結論から言うと、親権者のみ指定すれば当事者の合意により離婚することが可能です。つまり、養育費や慰謝料、財産分与などは、離婚後に話し合って決めることもできるのです。

 ですから、「とにかく早く離婚したい!」という方であれば、養育費等々のお金の話は後回しにして先に離婚してしまうのも一つの手です。例えば、毎月多額の婚姻費用の支払義務を負う夫であれば、とにかく早期に離婚して、ひとまず婚姻費用の支払義務を免れてから、その後でじっくり金銭面の離婚条件を話し合うのも有効と考えられます。

3.ただし手続きは多岐に分かれてしまう!

 ただ、注意が必要なこととして、離婚前の離婚調停・訴訟であれば、同一の手続内ですべての事項を解決することができたのに対し、離婚を先行させ、その後の養育費・慰謝料・財産分与の交渉が決裂した場合には、それぞれを解決するための法的手続を別個に実施しなければならないことが挙げられます。

 つまり、離婚後は、養育費・財産分与であれば、その解決のためには家庭裁判所に対してそれぞれの調停・審判を申立てなければならず、慰謝料であれば地方裁判所(簡易裁判所)に対して提起しなければならなくなり、大変面倒な事態も起こり得るのです。

4.終わりに

 以上のように、親権者だけを決めれば離婚することはできますが、どのような場合に他の問題を先送りして離婚を先行させた方がよいかは、個々の状況により別れてきます。一度弁護士へご相談下さい。

弁護士 森 惇一