明けましておめでとうございます。
本年もおつきあいよろしくお願いいたします。
さて、本年第一回目のテーマは、離婚の際の健康保険にまつわる話です。
婚姻中は、夫の被扶養者として夫の健康保険を利用している人が多いと思います。
これが別居や離婚の問題が生じると、けっこう話題に上ってきます。
問題となる一つの例が、行き先を知らせずに別居しているときです。
健康保険証は、何年かに1度、更新されますよね。その際、古い保険証を夫に返し、新しい保険証を送ってもらわなければなりません。ところが、行き先を秘密にしているのですから、このやりとりをスムーズに行うことは難しいです。
また、行き先を明らかにしていても、別居している夫に対して健康保険証の送付を「お願いする」というのは、なんとなく気が進まないものです。しかし、子連れで別居しているような場合、子どもは病気になりやすいですから、健康保険証を確保することは差し迫った問題となります。
そこで、妻は、まだ離婚が成立していないとしても、さっさと自分と子どもで夫とは別に健康保険に加入してしまおうと思いつきます。
しかし、妻が新たに健康保険に加入するには、まず、夫の健康保険からの脱退手続きを取らなければなりません。具体的には、夫の加入している健康保険組合からの脱退証明書(資格喪失証明書)を取得し、それを持って新たに健康保険に加入することになります。
それなのに、夫が妻や子供を自分の健康保険から脱退させる手続をとってくれないという問題が生じることがあります。これは、単に夫が面倒臭がって手続しない場合もあれば、嫌がらせのために手続しないということもあるようです。
いずれにしても、別居前に、健康保険についてよく考えて、自分で健康保険に入り直すか、夫の健康保険の被扶養者のままにしておくかを決め、自分で健康保険に入り直すのであれば、夫と話し合って手続をしておいた方がよさそうです。