こんにちは。今回は、整骨院で柔道整復師から施術を受ける場合の健康保険の適用について説明します。

 交通事故の損害賠償請求では、整骨院の施術費について、交通事故による傷害の治療のために必要かつ相当なものであったかという点で争いになることが多いことは、以前にご紹介しました。

 実際に、保険会社との示談交渉において、整骨院の施術費を損害賠償の範囲に含めるかについて争いとなった場合には、施術費については保険会社の一括払いの対象とされなくなりますので、整骨院の施術を受けたい場合には被害にあわれた方が自分で施術費を負担する必要が生じます。

 このような場合、施術費の自己負担額を抑えるために健康保険を利用して整骨院に通院することになります。

 ここで、整骨院の施術費については健康保険の適用による療養費を受給範囲に制限があるため、施術費全額が自己負担となる場合があるので注意が必要です。

 整骨院の施術費で健康保険の適用により療養費の受給が認められるのは、急性または亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫、いわゆる肉離れに限られ、脱臼または骨折に対する施術については、応急手当の場合除いて、医師の同意がある場合に限られています(「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」(平成9年4月17日付保険発第57号・最終改正平成22年5月24日付保医発0524第3号))。

 整骨院の施術については、上記のとおり、急性または亜急性の負傷に対する施術に限り健康保険の適用が認められていますので、治療期間が長くなると健康保険の適用が認められなくなる可能性が高まります。どのような状態の負傷を亜急性と判断するかは難しいですが、症状固定と判断されるような状態になれば、整骨院の方から健康保険の使用はできませんと言われる方が多いように思われます。

 示談交渉をご依頼して頂いているお客さまから「『整骨院で健康保険の使用ができません。』と言われました。」と相談されることが多いため、今回のブログのテーマといたしました。