こんにちは。長谷川です。
 暑くなりました・・・。
 なぜ、10月なのに、真夏日があるのでしょうか。。。
 暑いことが何よりも嫌いな私は、ここ2日、外を歩きたくありません。
 さっさと長袖を着て気持ちの良い気候になって欲しいものです。

 さて今回は、親権者決定の重要な要素である監護の継続性についてお話します。

 「監護の継続性」とは、一言で言えば、「ずっと育てているのは誰か」ということです。
 子どもが生まれてから今まで誰が子どもを身近で育てているのかということであり、以前に説明をした主たる養育者が誰かという点とかぶる問題です。

 従って、紛争勃発前の監護養育状態(=平穏時の監護養育状態)について、この「継続性」を独自に検討する意味はありません。

 では、この要素はどの局面で重要となるのでしょうか。
 結論から言うと、紛争勃発後から離婚裁判の口頭弁論終結時においてです。とりわけ口頭弁論終結時において、誰が子どもと一緒にいたのかという点は、親権者決定において、極めて重要な要素となります。

 誤解を恐れずに言えば、口頭弁論終結時に子どもと一緒にいる人が親権者になると言っても過言ではありません。

 この理由は、裁判所が、監護の安定性を重視する余り、子どもの本拠地が頻繁に変わることを嫌う為です。これは、離婚訴訟等の紛争の最中であっても変わりません。

 即ち、紛争中であっても、子どもと一緒にいた人の居場所(本拠地)が、そのまま子どもの本拠地となり、結果として、紛争中に子どもと一緒にいた人が親権者になるというわけです。

 ということは、どういうことになるのでしょうか。
 聡明な方はお気づきかと思いますが、要するに、子どもは奪った者勝ちになりやすいということです。

 夫婦間の紛争が起きたら、子どもを連れて別居し、後は法的な手続きを起こしてしまえば、そのまま親権者決定まで流せてしまいうるということです。

 率直にいうと、このことが、子どもの実力による奪合いを助長していると思います。

 本来であれば、親権者の決定というものは、きちんと双方の監護養育状況・条件を比較検討しながら、何が子どもの福祉に資するのかという視点で行うべきもののはずです。

 しかし口頭弁論終結時の監護養育者が誰かという「継続性」の問題の前には、監護養育状況・条件の比較検討自体は形骸化しているというのが、私の印象です(あくまでも印象に過ぎません)。

 子どもを実力で奪われた親が、裁判所を信じて、一生懸命、自身の監護養育状況・条件の優越を主張し、おとなしく裁判所の決定を待っていても、結局は、報われないというのであれば、「正直者がバカを見る」ということになりかねません。

 その意味で、裁判所が監護の継続性を重視する傾向については、早急に是正して欲しいと切に望みます。

弁護士 長谷川桃