こんにちは!お元気ですか?紅葉の季節になって、毎日電車から見る景色の移り変わりが楽しいですよね。
さて、今日は、身近にありうるお金の貸し借りについてのお話しをしようと思います。
「貸した金返せ」。これは法律上正当な請求です。単純に見えるがゆえに、お金が返ってこないとやきもきします。
相談者の中には、きちんと借用書を作っている方もおり、「借用書があるのだから、訴訟をして取り返したい!」ということをおっしゃいます。
とはいえ、当然、借用書だけで訴訟を乗り切れるとは言い切れません。
「借用書」と本人が言っていても、客観的に見たら「お金を貸した・借りた」という関係自体が不明確になっていたりします。貸したのでなければ、例えば「あげた(贈与)」と理解される可能性を残してしまいますので、こうなると当然、返す義務はないもの、ということになります。
また、多くの場合、お金の貸し借りをする時は、当事者の仲が良いときですから、「お金に余裕ができたら返してね」と言いながらお金を渡したりしがちです。たしかに人間関係を円滑に進めようと思うとこのような態度になってしまうのですが、こういう態度を相手方に都合よく解釈されてしまうと、「あれはもらったものだったから返さなくてよい。」と言われてしまうことになります。
弁護士のところに相談に行く場合は、明確な証拠もないのでどうしようもなくなった段階だと思います。そのため、弁護士として「じゃあ訴訟して貸金を返してもらう判決をもらいましょう。」とは言いづらいことがほとんどです。
とはいえ、いろいろな証拠を組み合わせてなんとか貸し借りの証拠を整えることもできないわけではありませんので、そこが弁護士としての働きどころかと思います。訴訟まで持って行かなくても、話合いに耐えうるだけの証拠(相手方に「訴訟になったらまずいな」と思わせるだけの証拠)があればよいのです。
また、不思議なもので、弁護士が入ると、相手方も良心が痛むのか、意外にすんなり支払ってくれることもあります。 借用書も何もない、または借用書としては不完全なものしかない、という場合でも、あきらめないで、相談してくださいね。