こんにちは。最近お天気がぐずついていて嫌ですね~。
 さて、今日は、取引の相手方が取引上の義務(例えば売買代金を支払う義務)を履行しないでいておいて、自分の持っている財産をすべて処分してしまって資力がなくなってしまったような場合にどうすればよいのか、という問題についてお話ししようと思います。

1 詐害行為取消し

 このような場合、詐害行為取消し(民法424条1項)という手続きを使うことができます。
 これは、簡単にいうと、取引上の義務を履行しない人が行った自分の財産の処分行為を取消すことにして、その人に対する債権者がアテにできる財産を債務者の下に戻して確保するという趣旨のものです。
 もちろん、どのような処分行為でも対象になるというわけではなく、金額や処分時期などからすると、他の債権者を害するというようなケースであることが必要です。

2 詐害行為取消訴訟とその前の保全処分

 詐害行為取消しのためには、訴訟をすることができます。
 ただ、この訴訟の間に対象物が転々と譲渡されてしまうと、せっかく詐害行為を取消してもその財産が債務者のところに戻ってくるとは限らなくなります。転々譲渡されてしまえば、事実上、譲渡先をつかみきれなくなったりするおそれも十分あるからです。
 そこでこのように転々譲渡されてしまわないように、対象財産について処分禁止の仮処分等の保全をする方がよい、ということになります。

3 詐害行為取消と債務名義

 詐害行為取消訴訟で勝訴したとしても、それだけで対象物から損失を回復できるかというとそうではありません。詐害行為取消訴訟というのは、あくまで、アテにする財産を確保するだけの手続きだからです。ここからもう一つ、債務名義(判決など)を得る作業が必要です。冒頭の例でいえば、売買代金を支払えという請求をする訴訟をし、認容判決を得るということです。
 このような段階を踏んで、債務者の下に確保しておいた財産に対して執行できるということになります。保全をしておけばそれを本執行にすればよいので比較的安心ですね。