弁護士の山本祐輔です。こんにちは。
今回のお題は、共有物件について締結された賃貸借契約の解除です。共有物件を賃貸に出し、理由があってその契約を解除したい場合、共有者全員で解除を行わなければならないのでしょうか。
共有物に対し何らかの行為を行う場合、共有者のうちどの割合までの意思が一致していなければならないのか。この点について、民法は行為を3つに分類して規定を置いています。
第一は、共有物の変更です。民法251条は、共有物を変更する場合には共有者全員の同意がなければならないとしています。なお、共有物の変更とは、共有物の性質を変ずる程度に至る行為であると考えられているようです。判例(最判平成10年3月24日判時1641-80)は、共有物の物理的損傷・改変を、共有物の変更にあたるとしています。