債権回収については、たとえ勝訴判決を獲得したとしても、債務者が任意に支払いを行わない場合、判決書だけでは、ただの紙にすぎないことになります。
債務者が任意に支払わない場合も、獲得した判決に基づいて債務者の財産に執行できて初めて判決書も重要な意味を持つことになります。
そこで、債務者の財産関係であって、執行できる先を把握することがとても重要となりますので、今回は執行先を把握できる簡易な手段をお伝えしたいと思います。
まずはネット上のホームページからの把握です。金融機関等の預金口座に対する差押えは、相手方の金融機関名及び支店名で足り、具体的な口座番号までは不要となります。
そして、現在では多くの会社が、メインバンク等お付き合いのある金融機関を支店名まで含めて、ホームページ上にアップしています。
そこで、債権回収先の会社のホームページを参照して、執行先となる金融機関名及び支店名を把握するということが可能となります。
このようにホームページでは見つからないといった場合には、債権回収先から、自社の金融機関口座に振り込みがあるか否かを確かめます。
債権回収先と過去に一定の取引を行っていると、債権回収先から自社の金融機関口座に振り込みがある場合が多いのですが、その場合、当該自社の金融機関に「預金元帳」を要求します。
この「預金元帳」を洗い出せば、債権回収先から過去に振り込みがあった場合、当該債権回収先が振り込み手続を行った金融機関名及び支店名が明らかになる可能性があります。
このように身近にある手段によっても、意外と執行先が明らかになる場合があります。