社団法人、財団法人、NPO法人などの非営利法人は、一般的には公共性が強く、社会の信頼度は高いと思います。
しかも、これらの非営利法人は、営利の追求、つまりお金儲けを目的にしていない法人なわけですから、何らかの公益性の高い目的を持ってされたものがほとんどでしょう。
しかし、そのような社会的信用を逆手にとって、これらの法人制度が悪用されている実態が浮かび上がりました。
2008年12月1日、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行されましたが、この法律の設立要件はとても緩いのです。
特に、一般社団法人の場合は要件が緩やかです。まず、一般社団法人は、2人以上の社員(出資者)がいれば設立することができます。また、最低限必要な資金の制限が設けられていないので、極端に言えば、出資金0円でも設立が可能です。さらに、行える事業についても何らの制約がありません。
特定非営利活動法人も悪用されやすい制度なので注意してください。
そういえば、架空マネーによる詐欺的手法で資金を集めた「円天」は、株式会社エル・アンド・ジーという会社がNPO法人を利用したビジネスモデルでした。
最近報告されている悪用事案は、ホームレスの自立支援を助けることを名目に、無料・低額宿泊所を悪用して生活保護費を詐取している事件が発生しているそうです(帝国タイムズ2009年10月5日)。
今後、どのような新手の非営利法人が登場するかわかりませんが、これらの法人と取引する際には十分ご注意ください。