2 注意点
役員報酬等の差押えについては、注意しなければならない点があります。
債務者が代表取締役であったり、親族で経営しているような同族会社の場合、わざと役員報酬を少なくし、別の名目で金員を支給するという経理上の操作が行われることが少なくありません。
というのは、役員は、会社の経営陣であるため、会社において一定の支配力をもっているからです。特に、小規模な会社で債務者が代表取締役である場合、その債務者の社内における実権は絶大です。つまり、その場合、第三債務者である会社が、完全に債務者の支配下にあるわけです。
私自身、かつて、役員報酬の差押えで、第三債務者である会社から、
「役員報酬は0円」
という白々しい回答をもらったことがあります。