弁護士 仁藤 仁士

 

皆様、こんにちは。

 

1 イントロ

   今回会社法にまつわるお話です。大学時代のゼミナールで標記のテーマを取り上げたことがあったのですが、たまたま標記のテーマに関する最近の判例を発見したので、今回はその判例を簡単にですがご紹介しながら標記のテーマの内容を見てまいりたいと思います。

 

2 事案の概要

   本件の原告となった甲社は、被告である乙社に金銭の支払い求める訴訟を起こしました。

   この金銭とは過払い金のことでした。実は、甲社は、乙社から借入をしていた丙社から過払い金の返還請求権を譲り受けて上記の請求をしたのです。

   ところが、その権利を譲り受けるにあたって問題が隠されていました。丙社では、取締役会の決議をせずに甲社に権利の譲り渡しをしていたのです。ちなみに過払い金の金額はおよそ2億1000万円でした。

   甲社は上記の過払い金の支払いを求めて訴訟を起こしたのですが、乙社は、丙社では取締役会の決議を欠いていたことから本件の過払い金返還請求権の譲渡は無効であり、請求は認められないと反論してきました。

 

3 裁判所の判断

(1)  本件のポイントは2つ挙げられます。(ア)取締役会の決議なくしてなされた取引は無効なのか否か、(イ)に関して仮に取引が無効であるとしても、それを第三者である乙社が主張することができるのか否か、という点です。

(2)   控訴審(高等裁判所)は、(ア)の点について取締役会の決議がないこと及びその点について甲社も知っていたことから、過払い金返