1 セブンイレブンに対する排除措置命令

 6月24日のブログで、セブンイレブンが公取委から排除措置命令を受けていたことを書きましたが、ちょっとおさらいしておきます。
(記事はこちら:「公取委、セブンイレブンに排除措置命令」

 公取委は、2009年6月22日、セブンイレブンジャパンに対し、同社が加盟店であるコンビニに対して値下げ販売を禁止していた行為について、排除措置命令を出しました。
 ここで特に問題となっていた値下げ販売は、お弁当です。
 加盟店であるコンビニは、通常、売れる見込みよりも多めにお弁当を仕入れるそうです。というのは、品揃えが豊富でなければお客が離れてしまい、結果的には売れ筋のお弁当まで売れなくなってしまうからだそうです。
 しかし、そうすると、当然売れ残りが発生しますが、賞味期限が切れる直前に値下げして売ってしまえば、その限度で損失を防げます。
 ところが、フランチャイズ本部が加盟店の値下げ販売を禁止していたために、賞味期限切れで廃棄していたお弁当がまるまる加盟店の負担になっていたわけです。
 そこで、公取委がセブンイレブンに対して、このような値下げ販売の禁止をやめるように、排除措置命令を出したわけです。

2 セブンイレブンの新ガイドライン

 セブンイレブンは、このような公取委の命令に対して、争うことはせずに受け入れる決断を下したようです。
 2009年8月6日付毎日新聞(朝刊)によると、セブンイレブンジャパンは、昨日、公取委の排除措置命令を受け入れることを正式に公取委に伝えたそうです。
 そして、セブンイレブンが、公取委の指導に基づいて作成した新ガイドラインの骨子は、次の通り。

・販売期限が切れる1時間前から値引き販売ができる。
・仕入れ原価を下回って値引きした場合は、その原価との差額分について加盟店が負担する。

 意外と厳しくないですね。
 販売期限が切れる1時間前からでないと値下げできないわけですから、加盟店が値下げで売り切る時間的制約はとても大きいのでは。まあ、それでも一歩前進というところでしょうか。
 公取委もとりあえず、この新ガイドラインに満足しているようなので、公取委がセブンイレブン側の言い分にも譲歩していることが分かります。
 2009年8月6日付日経新聞(朝刊)によれば、セブンイレブン側は、「加盟店がガイドラインに従えば、無秩序に値下げが広がる事態は避けられる」と見ているそうです。

 ちなみに、業界2位のローソンでは、そもそも値引き販売は、加盟店の判断に任せており、その旨契約書にも注記してあるそうです。