はじめまして。弁護士の片山です。
これから、日頃よく相談を受けることや、気になっていること等について、自分なりの視点から、色々書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
で、早速ですが、今回から何回かに分けて、事業を再生していくためのスキームについて紹介していきたいと思います。
景気の悪化が顕著になってきた今年のはじめ頃から、「事業を再生していくために何か良い方法はないでしょうか?」といった相談をよく受けるようになりました。
現在の状態をそのまま放置すれば破産してしまう可能性がある。しかし、一定程度の債務カットを実現できれば、経営を安定化できる余地もある。また、経営者も引き続いて自分自身でがんばって経営を続けていきたいという意欲が残っている。
という場合には、一般的に、民事再生手続という手段を検討することが考えられます。
しかし、民事再生は経営が厳しい状態であることを、会社を取り巻く利害関係人に知らしめることになり、信用不安が表面化してしまうという事実上のデメリットが考えられます。
また、破産と同類に扱われる風潮も否定できず、それによる風評被害も避けられない現実があると考えられます。
その結果、民事再生手続という手段を選択しても、事業を再生できないという事態も考えられます。
そこで、民事再生手続という手段を選択する前に、このように破産と同類に扱われる風評被害や信用不安を避けながら、事業再生を図ることができるスキームを検討しておく余地があると思います。
以上より、これから何回かに分けて、民事再生手続以外の事業再生スキームについて検討し、その概略をご説明していきたいと思います。
具体的な事業再生スキームとしては、DES(デット・エクィティ・スワップ)、DDS(デット・デット・スワップ)、現物出資、事業譲渡及び会社分割が考えられます。
これらの事業再生スキームを分類すると、事業のスピンアウト(放出)を行わず、その財務体質の健全化を図り事業再生を実現させるスキームとして、DES(デット・エクィティ・スワップ)、及びDDS(デット・デット・スワップ)を分類できると考えられます。
一方で、事業のスピンアウト(放出)を行うことで、その事業再生を実現させるスキームとして、現物出資、事業譲渡及び会社分割を分類することが考えられます。
そこで、次回は、これらの事業再生スキームの内、DES(デット・エクィティ・スワップ)についてその概略をご説明していきたいと思います。
なお、私事ですが、公認会計士・税理士の細田さん、司法書士の児島さん、及び行政書士の石下さんが主催する第5回独立・経営勉強会において、講師を務めることになりました。
今回のテーマは「ストック・オプションの組成(法務、会計、税務の見地から)」です。
ストック・オプションの発行は、法務、税務及び会計が複雑に絡み合っています。そのため、いずれかの分野だけを取り上げて検討しても解決することができない問題を多数含んでいると思います。
そこで、当該勉強会では、公認会計士・税理士の細田さんと一緒に講師を務めさせていただくことによって、この複雑な分野をできる限りわかりやすく説明させていただくとともに、実務的に問題となる専門的な事項まで踏み込んで説明していきたいと思っております。
日時は6月17日(水)18時からで、場所は東京八重洲ホールです。
具体的な勉強会の情報は以下のブログをご参照ください。
・細田さんのブログ: http://ameblo.jp/ikp-president-blog/
・児島さんのブログ: http://ameblo.jp/ks-kojima/
・石下さんのブログ: http://ameblo.jp/fc-ishige/
よろしくお願いいたします。