2009年度の本邦における法人の破産申立件数は1万1423件(速報値)となり、1万件を初めて超えた08年の1万1059件から3.3%増え、統計上把握できる85年以降で過去最多となったことが8日、最高裁のまとめで分かったとのことです。(毎日新聞が運営するインターネットサイト「毎日jp」による)

 

 最高裁によると、法人の破産申し立ては02年の9471件をピークに減少していたが、05年の8256件を底に、増加へ転じているとのことです。一方、経営再建を前提とした手続きの09年の申請件数は、主に中小企業が行う民事再生法の適用申請が前年比23%減の661件、主に大企業が活用する会社更生法の適用申請は前年(34件)とほぼ同水準の36件だったといいます。

 

 上記の数字の動向でいうかぎり、「中小企業の経営が行き詰まってしまうと、破産をせざるをえない傾向が強まっている」というところでしょうか。

 経営の再建を目指す手続である「民事再生」については、再生計画に対する金融機関の過半数の同意が必要ですし、その前提として、金融機関を納得させられるだけの再建計画が描けなければそのような同意を得るのが困難なことも多いです。金融機関の同意を引き出す再建計画を立てられるのは、中小企業のなかでもある程度の規模を有する会社、他社にはない独自の技術などの強みを持っている会社、戦力となる従業員が法的整理後も会社に残って業務に従事してくれる会社など、ごく一部の会社に限られてしまうようです。

 

 弊所でも、ときどき法人のお客様の法的整理のご相談をお受けすることがありますが、上記のような現状をご説明すると、民事再生をあきらめられてしまう方も相当数おられるようです。ただ、金融機関との交渉により、資金繰りさえなんとかなれば経営を存続できる、という会社様もみられます。そのような会社様については、金融機関との交渉の仕方についてなどのご相談にも応じております。

 

 また、個人の自己破産申し立てについては12万6265件(前年比2.5%減)。過去最悪だった03年の24万2357件をピークに6年連続の減少となっているということです。個人向けの貸付については、改正貸金業法により、総量規制(債務者の年収の3分の1までしか、貸金業者は貸付を行ってはならない)が導入される予定ですので、この点がどのように影響するかが注目されます。「総量規制が導入されて多く借りられないため、破産は減少する」のか、あるいは、「総量規制が導入されて借入により生活を回すことができなくなり、かえって破産が増大する」のか、あるいは総量規制と破産の数には相関性は認められないか。

今後の実務を注視し、必要なら政策提言も行っていきたいと考えています。