飲食店に入って、料理を注文したら・・・あれ?財布がない・・・。
 経験された方も多いと思います。今日は、お金がないにもかかわらず、飲食店で飲食した場合に、刑法上どのような罪が成立する可能性があるのかについてお話します。結構複雑ですが、頭の体操だと思って最後までお付き合いください。

1.注文時にお金がないことに気づいていた場合

 お金がないにもかかわらず、飲食店で飲食物を注文した場合、詐欺罪(刑法246条1項)に該当する可能性があります。
 詐欺罪が成立するためには、財物や利益の交付に向けた欺く行為(欺罔行為)が必要なのですが、お金がないにもかかわらず、飲食物(財物)を注文する行為自体が、欺く行為にあたると考えられているのです。

2.飲食物を食べた後にお金がないことに気づいた場合

 では、注文時にはお金がないことに気づかず、完食した後でお金がないことに気づいてしまった場合はどうでしょうか。この場合、注文行為時には、お金がないことに気づいていないのですから、刑法上の「故意」がないとして、注文行為自体は詐欺罪にあたらないと考えられています。

 それでは、その後、逃走してしまった場合はどうでしょうか。いくつかのパターンに分けて考えてみましょう。