裁判で被告人が実刑判決を受けることが確実であると予想される場合には、わざわざ情状証人に協力してもらう意味なんかないと考える方もいるかもしれません。
しかし、誰もいないよりは、量刑上被告人に有利に考慮されることは間違いありません。そのため、弁護人を通じて、できるだけ情状証人を確保しておくべきでしょう。
一方、量刑上の効果も重要ですが、やはり個人的には被告人の更生のきっかけになりうるという効果がより重要であると考えます。
犯罪傾向が進んでいる被告人であればある程、人からの愛情が枯渇している場合が多いです。
そんな被告人の更生を心から信じ、協力する意思を法廷で語ってくれる存在がいることは、きっと被告人の心情に良い影響を与えることでしょう。
そして、情状証人による証言の後、被告人質問が行われます。
弁護人としては、情状証人が被告人のために証言をしてくれたことによって、被告人の心情がどのように変化しているのかを、じっくりと聞く必要があるでしょう。
これらのプロセスが、被告人の更生のきっかけなることもありますので、その意味でも、情状証人は重要なのです。
弁護士 吉田公紀