さて、悪さをしてしまい警察に逮捕されて、家庭裁判所から少年鑑別所での観護措置の決定が下りると少年鑑別所に入所することになります。

家裁から少年の身柄が送られてくるのは大体午後から夜間となります。少年の身柄が送られてきてまずやることは人定と呼ばれるものです。少年自身に氏名・生年月日・住所・本籍等を確認して、身柄が送られてくる際に一緒に送られてくる書類と一致しているかを確認します。書類上の人物と実際に入所してくる人物が別人であると重大な問題となるので、ここでの確認は重要な作業の一つとなります。

人定が終わるとその次に行われるのが領置手続です。矯正施設において、所内に持って入ることが出来る私物はごく僅かです。それ以外は、施設に準備している衣類や物品等を使用しなければなりません。所内に持って入ることが出来ないものも含めて入所時にチェックを行います。この作業は、担当職員が一つ一つの荷物を少年の眼前に出して一緒に確認しリストを作成します。この時に所内で着用する衣類等に着替えも同時に行う場合が多いです。着替え中に体に傷があるか、文身やタトゥーが入っていないかどうかの確認を行います。これらは必ず記録に残しておきます。少年が荷物を多く持っているとこの作業にものすごい時間を取られます。鑑別所入所前の留置段階家族から多量の差し入れをしてもらった少年、逮捕された時に多量の荷物を持っていた少年が、家族等に荷物を持って帰ってもらわなかった場合、そのまま持ってきます。多量の荷物を持ってくる+多人数の入所となると小さな鑑別所ではてんやわんやの大騒ぎになります。

人定質問・領置手続が終わると生活する居室に移動し、生活の仕方の説明や備品の使い方を説明します。各居室の扉は頑丈な鍵が掛けられており、職員が一人で開扉することはできません。夜間の場合、当直の職員がいますが、他の入所少年も見ないといけないので複数の職員が居残る必要があります。夜間に入所がある日は職員にとって大変な一日となります。

今後職員の仕事や所内での生活など書いていきますので、興味のある方は読んでみて下さい。