さて、今回は鑑別所で行われていることについて書いていきます。

 鑑別所の収容期間は原則2週間、最大4週間まで延長可能です。重大案件になると最大8週間まで収容することができます。
 それでは、毎日どのような生活を送っているのでしょうか。毎日部屋の中でブラブラとしている訳ではありませんよ。

 日中は作文書いたり絵を描いたり貼絵したりしています。それとは別に調査官の面接や、家族との面会、鑑別所職員の面接、鑑別技官の面接が行われています。入浴がある日は入浴を行います。

 どの鑑別所でも作文や絵画作成、貼絵を行っているとおもいます。作文は家族や友達関係について書かせることもあります。家族について記載し提出してきた作文を読むと家族との関係が悪い少年は数行で記載を終えていることが多いです。ほとんどの少年が家族との楽しい思い出を記載している中、家族に対する憎悪の気持ちを文章にしています。これは面接を行っても同様です。その反面家族に対する甘えたいや感謝の気持ちを持っているのも事実です。絵画の題目は「家族」です。漠然としていますが、何をしている場面でどのような登場人物がいるのか説明を加えさせます。そこから、自分が家族の中でどの立ち位置にいるのか、家族がどう思っているのかが絵に現れることがあるのでそこを見ていきます。

 上記の作文、絵画等の内容や面接をした内容を踏まえて、書面にして家庭裁判所に提出するのが、鑑別職員(主に鑑別技官)です。場合によっては、家庭裁判所の調査官と話合いの場を持つこともあります。最終的な決定は家庭裁判所の裁判官がするものですが、その判断材料の一部として使われることもあります。鑑別所の職員が作成した書面を基に裁判官から質問されることも度々ありますよ。

 これも鑑別所職員の重要な仕事の一つとして覚えて頂けたらなと思います。

元矯正職員