さて、少年事件の場合、事件を起こしてから裁判所から観護措置の決定がなされると少年鑑別所に収容されることとなります。では、観護措置が決まる場合はどういった場合でしょうか。法律上は「審判を行うため必要があるとき」とされており、具体的事案に応じて裁判官が決めます。少年鑑別所で少年の心身の状況等の検査をする必要がある場合のほか、一般的には、少年が調査、審判などに出頭しないおそれのある場合や暴走族等の悪影響から保護する必要がある場合などに観護措置がとられることが多いようです。

 裁判所から警察官や裁判所の職員に連れられて少年の身柄が鑑別所に送られてきます。これが、午後であったり夜間になったりする場合もあります。ごく稀ですが、夜中の入所となることもあります。また、入所予定の少年が裁判所に現れず、観護措置がとれない場合もあります。鑑別所側からしてみれば入所予定の連絡を裁判所から受ければ準備を整えておかなければならず、深夜まで帰宅できず待機している場合もあります。

 さて、入所してきた少年はどのような生活を送っているのでしょうか。調査官の面接・面会・鑑別所職員による面接・入浴の時間以外は居室の外へ出ることはほとんどありません。各課題に取り組み一人となって非行に至った原因や事件を起こしてしまった問題点がどこにあったか等見つめなおす機会となります。鑑別所の職員の面接は大きく分けて二つあります。鑑別所には技官と呼ばれる専門職員(心理学等を専攻した者)がおり、性格や知能の検査を行う場合と職員が技官とは別に生活状況等を聞き取りする面接となります。ちなみにこの技官が行う性格検査や知能検査ですが、実際に受けてみると分かりますが当たっている場合が多いんですよ。

 皆さんも矯正展と呼ばれるイベントにおいて、鑑別所技官による心理検査等を行っている場合がありますので、足を運んでみて下さい。やってみると違った自分が見えるかもしれません。

 次回以降は鑑別所での生活を具体的場面を例に挙げながら記載できたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

元矯正職員