皆さん、こんにちは。今日のテーマは「接見交通権」です。
接見は、身体拘束を受けている被疑者、被告人にとって、弁護人、あるいは家族等と意思疎通を図る大切な機会です。
特に、勾留ではなく逮捕の段階では、被疑者は弁護人以外と接見ができず、とても不安な状況におかれます。その不安を解消し、有効な捜査弁護を模索するためにも、初回接見には大急ぎで向かうようにしています。
初回接見ではまず、弁護人は味方であること、被疑者、被告人には黙秘権があること、間違った内容の調書には指印しないこと、今後の刑事手続の流れ等を説明したうえ、事件、身体拘束の経緯、取調状況、心配なこと等を聞いていきます。
もし家族に伝えてほしいことがあればそれについても聞きます。弊所では、逮捕された被疑者のご家族にご依頼いただくことが多いので、逆に家族からの伝言があればその内容、勾留に切り替わった後のいつの段階で家族が面会に来る予定か等を話すこともあります。
さて、勾留に切り替わった後は、基本的に弁護人以外も接見ができます。ご家族の接見は、15分ほどで、留置係の警察官が同席した状態です。また、人数も一度に入れるのは3人程度です。ですので、誰が行くか、何を話すかを決めて行かれるといいと思います。
しかし、せっかく接見に行っても、接見禁止という処分がされている場合は、ご家族は会うことはできません。
もし、被疑者に接見禁止処分がされた場合は、弁護人としては、準抗告という不服申立てを行うことになります。ただ、この準抗告が認められる率は非常に低いです。そこで、裁判官に対し、接見禁止の一部解除の申立てをすることがあります。この申立てはあくまで裁判官の職権で接見禁止を解除してほしいとお願いする性質のものです。被疑者、弁護人にこの申立てをする権利があるわけではないのです。
弁護人は、被疑者の利益のために尽力いたします。まめな接見、接見禁止を解除する努力もそのひとつです。刑事手続に巻き込まれ、お困りの方、ぜひご相談ください。
弁護士 上辻遥