弁護士 楠見 真理子

犯罪を犯して逮捕された場合、釈放されるケースもありますが、その多くが身柄を拘束されたまま、検察庁に事件が送られます。そして、身柄が拘束された状態で検察庁に事件が送られると、そのほとんどの事件について、検察官は、裁判所に勾留の請求をします。

そして、検察官が勾留請求すると、そのほとんどについて、裁判官は、勾留請求を認めます。

勾留が認められると、10日間、身柄が拘束されます。勾留は、延長ができるので、最大で20日間、勾留できますし、実際、検察官が勾留の延長を求めて、許可されるケースがほとんどです。

これは、特に、仕事をもっている被疑者にとっては、大変なことです。出勤ができず、犯罪を犯して勾留されていることが会社に知られれば、すぐに解雇なる可能性があります。

ここで、弁護士の存在が重要になります。弁護士が勾留請求を判断する裁判官に実際に会って、勾留請求を却下してほしいと説得するのです。私自身も勾留請求を却下にした経験が何度かありますが、裁判官に勾留の理由がない、必要がない事情を具体的にあげれば、裁判官が勾留請求を却下する可能性は十分あります。

なお、検察官が勾留が必要だと言っている以上、却下してもらうことは決して簡単ではありません。裁判官にどう説得するか、それを得意とする弁護士に依頼することが重要です。

しかし、残念なことに、すでに勾留が決まってから相談に来られる方が多いのが実情です。中には、勤務先から解雇されてしまった方も何人かおりました。

自分が逮捕されたら、家族や大事な方が逮捕されてしまったら、その方の大切な人生を守るため、一刻も早く弁護士に相談することが極めて重要であることをもっと多くの方に知っていもらいたいです。