みなさん1月21日に東京地方裁判所で行われた刑事裁判で、既に死刑が確定している死刑囚が法廷で証言を行ったニュースを覚えているでしょうか。ここでも矯正施設職員が登場しますので紹介します。

その日の夜、何気なくテレビを見ているとニュースで法廷の様子がイラストで紹介されました。
傍聴席と法廷の間には透明な防弾ガラス、証言台の後ろには傍聴席から見えないように遮蔽板が設置され、死刑囚の姿が見えないようになっており、声だけが聞こえたそうです。この措置は証言をした死刑囚の人権への配慮もあるでしょうし、死刑囚に何かあっては大変なことになるからです。では、死刑囚の警護を行っていたのは誰なのかというと矯正施設の職員と裁判所の職員でその数はおよそ20名とのこと。一般的な刑事裁判では拘置所からの出廷の場合、刑務官2名が両脇を固めます。
今回は、法廷の中だけではなく外にも警備のため数多くの矯正職員さんが配置されていたみたいですね。他の施設からも応援職員が来ていたと聞きました。

収監されている拘置所から裁判所までの移動も大変です。死刑囚を乗せた護送車両が裁判所に入っていく様子が流れていましたが前後を警察車両に挟まれていました。移動中は通行を妨害されないようにするために各所に警察官が配備され、護送車両が停止するのを少しでも防ぐために先にある信号を強制的に青色灯火に変えたとか。一般の方が裁判所に入る際の手荷物検査も普段より厳しかったようです。

今回のように特別な裁判の場合、マスコミからの注目度も高いですので出廷業務を担当された職員さんも相当緊張されたのではないでしょうか。私も、刑事裁判、少年審判への出廷業務を経験しましたが、世間の注目を集めるような事件の担当は幸いにもありませんでした。
ただ、判決や審判の決定が出た後に法廷内で暴れ裁判官に殴り掛かるという場面には遭遇したことがあります。すぐに取り押さえることができ事なきを得ましたが何かあれば大事になってしまうので一瞬たりとも油断できなかったことを覚えています。かなり神経を使う仕事だったと記憶しています。これも矯正施設職員の大きな仕事の一つです。

刑務所内で受刑者がどのような生活をしているのか以外にも、矯正施設の職員がどんな仕事をしているのかを皆さんに知って頂けたらと思います。
今回のように矯正施設、職員に関するニュースで気になることがあれば書いていきますので、是非読んでみてください。