軽い気持ちでクレジットカード申込用紙に虚偽を記載したことがある方もいるかもしれません。

この場合でも、詐欺罪や窃盗犯が成立します。

窃盗?と思われる方も多いかもしれません。
他人の物を権限なく持ち去ったような場合が典型的な窃盗ですが、クレジットカードの不正取得についても窃盗になることがあります。詐欺罪の場合、犯人が被害者を欺罔(だますこと)したため、騙された人が財物を交付することが必要なのですが、最近のクレジットカードの発行審査手続きは、申込内容を機械で読み取り、機械が自動的に審査し、クレジットカードを発行することから、騙された人が存在しないということがあり得るのです。
この場合にには、詐欺罪には該当せず、窃盗罪と扱われます。申込書を見て人が審査していれば詐欺罪に当たります。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」(刑法235条)、詐欺罪のそれは「10年以下の懲役」(刑法246条1項)であることから、窃盗罪は罰金刑になる可能性があり法定刑が軽いことになります。

では、現実に処罰されているのでしょうか。確かにクレジットカードを不正取得しているのですが、きちんと年会費も払い、支払いもキッチリしていたのだから、実際は処罰されないのではないかという感じもします。

しかし、実際には、処罰されている事案があります。特殊かもしれませんが、カード申込時に暴力団であることを秘匿し、年収も多く記載していた事案で、有罪判決が出ています。多くの場合は執行猶予はつきますが。

クレジットカードではないのですが、ゴルフ会員権を購入する際に暴力団であることを秘匿したとして有罪判決が出されてもいます。

暴力団には厳しい世の中だということでしょうね。