繰り返しは、その行為による印象、評価を高める効果を持ちます。常日頃から人にやさしく、世のためいいことを繰り返せば、周囲からの評判の高まり、恩返しなどによる受益、そういった正の結果がどんどん大きくなるでしょう。
 同じことは、悪いことの繰り返しについても言えます。人に対し迷惑をかけ、嫌悪されるような振る舞いを繰り返せば、周囲からよき友、よき仲間はいなくなり、人生が孤独に絡めとられてしまうでしょう。
 このように、何かを繰り返せば、それに対するものは大きくなります。このことは、犯罪行為と刑罰についても言えます。

 一つは、何か犯罪に当たることを行い、それについて反省せず更生せず、同じようなことを繰り返すものです。これまでも何度か書いてきたように、犯罪を繰り返せば反省に欠けるとして、処分はどんどん重くなります。最初は不起訴、次は執行猶予、それでも繰り返していよいよ実刑など。情状の点でも、悪印象が強まります。

 もう一つは、犯罪を繰り返すことで罪名から変わり、より重い処罰を受ける犯罪となることもあります。代表的なのが、万引きなど窃盗を繰り返して、しまいには常習累犯窃盗という罪名がついてしまうというものです。

 常習累犯窃盗は、「盗犯等の防止及び処分に関する法律」という法律に規定されており、ざっくり言うと10年間に3回以上窃盗で懲役刑となると、この罪に問われることとなるというものです。そうなると、罰則は3年以上の有期懲役と、通常の窃盗に比べ格段に重くなってしまいます。
犯罪を繰り返せば、待っているのは常に厳しいお沙汰ということです。