1 指紋について

 「指紋」というものについて、皆さんもなんとなくはご存知だと思います。そうです、指先にある渦巻き模様のあれです。
 この「指紋」最近では個人認証の方法としていろいろなところで使われており、パソコンやスマホでも使われていたりします。今回は身近なようで知らない「指紋」のお話をしようと思います。

2 現場に残る指紋

 指紋が現場に残る原理は、手指には分泌物が絶えず出されておりその分泌物が指紋の凸凹の凸の形に残されるというものです。ちょうどインクと印鑑のようなイメージで、指の凸凹が印鑑の凸凹で手の分泌物がインクにあたるというイメージです。

 また、現場に指紋が残されるケースとしては、血液等が付着したまま物に触り、指紋の凸凹の凸部分の血液等が凹部分に移った状態で残されるといったケースもあります。この場合は、凹部分の形に残り反転した形になります。

3 指紋の検出

 こうして現場に残された指紋ですが、ただ物に触り分泌物が指紋の形で残っているというだけという場合、目に見ることもできません。そこで指紋を検出する技術が必要になります。

 指紋の検出方法として代表的なものは、粉末法というものがあります。この言葉自体は聞きなれないものだと思いますが、刑事ドラマなどでよく鑑識の方がもこもこ状のものでポンポンとやっているあれのことです。

 粉末法について簡単に説明すると、まず全体に粉末を付けます。すると手指の分泌物がついている部分だけ粉末がくっつきます。そこでポンポンとやってくっついていない粉末を払ってやると、周りのくっついてない部分については払われて、きれいに指紋の凸部分の形粉末が残るということになります。そうやって指紋の凸状に残った粉末を別のものに移すことで証拠に使うわけです。

 この、指紋の検出技術もどんどん進化しています。たとえ以前は布からの指紋の検出は不可能だといわれていました。しかし、平成24年ごろ布からの指紋検出に成功したというニュースが話題になりました。

 日本の刑事裁判は証拠よりも自白を重視しているなどと言う批判をよく耳にします。このような証拠に関する技術進歩が正しい刑事裁判につながることを願っています。