こんにちは、弁護士の坪井です。
 本日は、付添人の活動について記述します。

 付添人の活動は、少年の要保護性の解消を目指すことにあります。

 弁護士が付添人として活動を行う場合、もっとも大事なことは少年を理解することです。ありのままの少年を理解しようとすること、審判における結論だけでなく、そこに至るプロセスが大切です。

 事件を起こす少年の多くは悩み抱えています。悩みの深さや内容は少年によって異なりますし、私たちからするとそのようなところで悩んでいるのと疑問に思うことがあります。付添人は、そういった少年の悩みの本質に正面からぶつかって行かなければ、仮に少年院送致等が免れたとしても再度同じことを繰り返してしまいます。付添人は、置かれた環境の中で、少年の悩みを一緒に考え、少年が自分の問題点を理解し、どのようにすればその問題点を乗り越えることができるのか少年自身が気づくようにサポートしていかなければなりません。

 上記のように付添人は少年と接見し、事件の事や被害者の事、自分のこれまでの生活やこれからの生活、自分の家族についてなど多くの事について一緒に考えます。

 また、被害者がいる場合には、少年に手紙を書く意思を確認したり、調査官と面談し、少年の処遇に関して、調査官が少年を誤解している点がないか確認を行ったりします。場合によっては少年の働き場所を探すこともあります。

 さらに、重要な点として父母との面談です。従来、少年の非行の原因は、大半が家庭にあると言われて来ました。少年の問題が家庭にあるにしろ、その他の点にあるにしろ、父母と面談することで、少年のこれまでの育歴が見てきます。そして、少年の立ち直りには父母の関与が極めて重要なことは言うまでもありません。

 父母も少年の関与に迷いがあったり、監督者として必ず適切とは限らない場合がります。しかし、そのような親であっても弁護士がきちんと少年の関わり方を説明することで改善されるケースもあります。また、仮に父母が監護者として不適切な場合にだれを監護者するのかも検討することが必要になります。いずれにしても父母との面談は極めて重要なことに変わりはありません。

 最後に、付添人は、これまでの活動を通して意見書を提出します。これはこれまで少年と接し、付添人として少年をどのような処遇にするのが少年のためにもっとも良いのかを付添人独自の視点によって記載します。

 以上が主な付添人の活動です。これ以外にも色々な方法で付添人の活動を行っている弁護士の先生の方がいます。

弁護士 坪井 智之