前回審判の決定を簡単に書きましたが、今回はもう少し詳しく記載しようと思います。ただし、記載量が多くなるので数回に分けて記載します。
 第1回目は検察官送致・逆送(保護処分ではありません)です。

検察官送致の基準

①少年が20歳を超えていることが判明した場合(少年法19条2項)

 少年審判の対象が20歳までとされているので、家庭裁判所の決定をもって管轄地方裁判所の検察官へ事件を送致しなければならないとあります。

②刑事処分相当と判断される場合(少年法20条1項)

 死刑、懲役又は禁錮以上の罪に当たる場合、年齢が14歳以上で罪状や情状面を考慮して家庭裁判所に刑事処分相当と判断された場合、検察官へ事件が送致されます。

③少年が犯罪時に16歳以上であって他人を故意に殺害した場合は,原則として,事件を検察官に送致しなければならない(少年法20条2項)

 故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた場合、犯罪行為時点で16歳以上であることが要件になります。

検察官送致その後

 検察官送致(逆送)されると成人と同じく不起訴・略式起訴・公判請求(起訴)のいずれかになります。起訴されれば刑事裁判を受けることになります。少年が男性の場合は、刑事裁判で有罪となると普通の刑務所ではなく26歳まで入所する少年刑務所(現実は他施設の過剰収容の影響で26歳以上の受刑者もいることが多いですが・・・)に入所することになります。刑務所の生活は以前書いたこともありますし、今後細かく記載することもあると思いますので今回は省略します。

 なお、次回は保護処分(保護観察・児童自立支援施設送致等・少年院送致)について書こうと思いますので、読んでみて下さい。

元矯正職員