この間、久しぶりに同級生の友達と飲みに行きました。

 彼は48歳で独身ですが、そろそろ結婚したいとか…。別に交際している女もいないのにですよ。

 この友人のように、最近男で結婚願望を持つヤツが増えてきたように思います。結婚願望って、女のための言葉だと思っていました。

 そう言えば思い出しましたが、ボクがまだ独身のころ、知り合いの弁護士の事務所に遊びに行ったら、元スッチーの美人な奥様が秘書として彼の仕事を手伝っていました。
 彼女は、ボクが独身であることを知ると、「結婚を前提とした真剣なおつきあいを考えていませんか。もし考えているのであれば、私の後輩を紹介しますよ」と言うのです。つまり、後輩のスッチーを紹介してくれるというのです。

 何と言うことでしょう。彼女の頭の中には、おそらく、

   結婚前提=真剣なおつきあい

   結婚を前提としない=アソビ

という公式が成り立っているようです。

 本当は違いますよね。正しくは、

   結婚前提=不純なおつきあい

   結婚を前提としない=真剣なおつきあい

ですよね。

 結婚は言うまでもなく制度です。したがって、結婚前提とは、この制度を利用する計算があるというおつきあいを意味します。こんな不純な交際はありませんよね。政略結婚じゃあるまいし…。

 確かに、ボクも結婚しました。

 でも結婚願望があったからではありません。

 男は、どんなに好きな女でも、結婚しないですむのであればその方法はないか、思案を巡らします。でも結婚してしまう。

 それはなぜかというと、制度に抵抗するのは困難だからです。

 もしボクが結婚前に女房に対して、「君を愛している。だから結婚はよそう。結婚は単なる人生設計の都合と計算による制度だ。」などと言ったらどうなるでしょう。
 「なに訳のわからない屁理屈言ってるのよ。どうせ私のこと好きじゃないんでしょ。フン!」という展開になり、2人の恋愛ボルテージはいっきに下がってしまいます。せっかく好きなのに、2人の関係は冷めてしまいます。
 恋愛ボルテージが下がってしまうのを防ぐ唯一の方法。

 それは結婚を受け入れることです。

 これが健全な男の結婚動機です。

 それなのに、男が結婚願望を持つ時代。男が制度にすがるようではおしまいです。

 

 ちなみに、先ほどの元スッチーの奥様に私はこう答えました。

 「結婚を前提としない真剣なおつきあいなら喜んで…」

 もちろん、スッチーは紹介してもらえませんでした(笑)。