978-4-8030-0456-4






























 久しぶりに本を執筆したので宣伝しちゃいます。

 今回書いたのは、交渉に関する本です。

 ボクら弁護士は、法律の専門家と呼ばれておりますが、実は交渉の専門家という側面も持っています。なぜなら、弁護士は、常に裁判所を紛争解決の場所として利用しているわけではなく、交渉で解決することも多いからです。

 しかも、ボクらがやる交渉は、ビジネス交渉ばかりではなく、もめごとを解決する交渉も多いため、交渉テクニックとしては難しい。というのは、もめごと交渉というのは、信頼関係が破綻した者同士の交渉だからです(ボクはこれを「紛争解決型交渉」と呼んでいます)。基本的に、相手の言い分を信用しないという立場から交渉がスタートします。

 ねっ、面倒な交渉でしょ?だから、ボクら弁護士は、けっこう交渉上手なんです。

 ということで、ボクは職業柄、交渉に関する本はけっこう読むんですけど、今回は、弁護士の経験を活かして、「ビジネス交渉」と「紛争解決型交渉」の違いを意識しながら、その交渉技術を論じてみました(巷の交渉テクニックに関する本は、あまりこれが意識されておらず、混乱して論じられているように思います)。

 また、よくある交渉本のような、言葉巧みな話術や詭弁を弄するようなトークで相手を口説くという内容は割愛しました。ボクの経験では、そのような小手先のテクニックでは交渉をうまくまとめられないからです。小細工を使っても、詐欺師呼ばわりされるか、新たな紛争を呼ぶだけです。

 むしろ、交渉当事者のバーゲニング・パワーがいずれにあるかを分析したうえで、そのバーゲニング・パワーを如何に操作するかという実践的な手法に注力しました。下手な話術よりも使える交渉テクニックであると自負しております。もしよければ、読んで感想でも聴かせてください。