そう言えば、先日、消費税法案が可決されましたね。

 そして、小沢グループの離党が現実になりました。

 さて、消費税増税の是々非々論は横に置いて、党の分裂を招いてまで消費税増税を実現させた野田総理を精神分析してみたいと思います。

 まず、この度の党分裂で民主党は過半数割れ。しかも、次の選挙で民主党が大敗することは、政治音痴のボクにも分かります。これで、野田総理は何を失ったのか…。

(そうかあ…。野田総理は何も失わない…)。

 そうです。野田総理には失うものが何もないのです。

 歴代の総理大臣を見れば容易に想像がつきますが、総理経験者というものは、その後の組閣では入閣しないのが通常です。政治のトップを経験した者が、その後の組閣人事で他の政治家の下にはつけないからです。会社の社長は引退しても、会長職という名誉職が用意されていますが、政治の世界にはそれもない。
 だから、一度総理大臣を経験したら、政治家としてはもうそれで十分。後は一介の国会議員として余生を過ごせばいいわけです。

 「だけど、次の選挙で落ちれば、国会議員としての余生もなくなるのではないか?」という疑問を持たれる人もいるでしょう。

 確かに、その可能性はあります。でも、彼は二世議員です。基本的には先祖から引き継いだ強固な地盤を持っています。しかも、比例区による復活当選という途も残されています。もし彼が二世ではなく、自分の力でのし上がった政治家ならば、確かに彼が言うように、「政治生命を賭ける」という言葉にも重みがあります。
 でも、すでに総理大臣も経験し、強固な支持基盤がある彼が失う政治生命って何ですか?

 結局、彼は政治家としての何らかの実績を残すという功名心にかられ、結果、民主党を墓場に追いやりました。

 そして、残された民主党の国会議員の人たちの誰かが次の総理大臣の椅子をゲットするのは、当面の間、絶望的です(もしかすると、永遠に…)。

 ”天下国家のため”という大義名分も、もしかしたらその奥底には、こんな私情が横たわっているかもしれません。