物損事故における車両時価算定のお話し、前回はレッドブックってどんなものか書いてみますということで続きとしました。
(前回の記事はこちら:車両の時価の算定のお話1)
レッドブックは通称です。オートガイド自動車価格月報といい、有限会社オートガイド社が発行しています。毎月発行される国産乗用車、隔週発行の商用車、軽自動車・二輪車、輸入自動車の合計4種類に分かれています。
中を見ると、主だった車種が形式、年式で整理されており、それぞれに新車販売価格や中古での価格が記載されています。
車両の時価を算定するに当たり、掲載項目のどれを見るかについては、一般に中古小売価格の数字を参考とするようです。
このレッドブック、弁護士会の図書館には十分に揃えられているのですが、一般の公共の図書館で見かけた記憶はありません。事故に遭った時に参考としようとしても、図書館に置かれているかどうかは不明です。読んだ印象は、時刻表に近いような実用本ですし、娯楽本や学習書には見えませんから、なかなか一般の図書館には置きにくいのでしょうか。
ただ、車に興味のある人は、読んでみると面白いかもしれません。世の中色々なメーカーや車種があるなと思いますし、新車からの値下げ幅でなんとなく人気がうかがえる気もします。単なる印象かもしれませんが、スポーツタイプなどは高値がついている感じがあります。思い入れのある車種の値段なども、調べるといろいろ思うところがあるかもしれませんね。
さて、車両時価はレッドブック等による場合が多いとはいっても、それのみが唯一の算定方法というわけではありません。次回は、レッドブック等の数値以外で車両時価を算定した事例などに触れてみようと思います。