100万円の改造費を投入して大切に扱ってきた自慢のカスタムカーが事故に。当然改造費は賠償してくれるものと思っていたら・・・・
相手方保険会社の担当者「10年以上前の車なので、時価額は新車価格の1割です。改造費は考慮できません。」
改造車は、改造によってどれくらい価値の増加があったのかを判断するのが難しいこと等から、上記の例のように、時価額が争われることが多いのです。
もっとも、ドレスアップカーという言葉が存在するように、ある一定の改造を施すことで、車両の時価額以上に価値が増加することは広く知られていて、ドレスアップカーを専用で扱っている業者も存在しています。
そこで、相手方保険会社の交渉においては、「改造車の時価額を算定する際には、改造費も考慮するべきだ」と主張していくことになります。なお、改造が、①道交法など法令に違反している場合や、②車の効用を高めるものではなく、逆に車の効用を低下させるような場合には、改造費を考慮することは難しいでしょう。
裁判例においても、郵便物集配業務のための塗装等の特別仕様を施した車について、同種同等の標準車の中古車の取得価格に、同種同等の特別仕様を施した場合に要する費用(ただし経年による減価を考慮した金額)を加えたものを時価額としたものがあります(大阪地判平成21年10月7日)。
証拠を収集した上で適切な主張を行っていくことで、裁判上の和解等において、改造費の一部が認められることもありますので、お困りの際は、弁護士にご相談されることをお薦めします。