「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)と認定された場合、交渉次第ではかなり高額の示談金を手にすることができます。
 その示談金の大部分を占めているのが後遺障害逸失利益です。

(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間のライプニッツ係数)

 これが後遺障害逸失利益を算定する数式です。

 しかし、この示談交渉においては、弁護士でさえ保険会社の担当者に「労働能力喪失期間は5年~10年である」などと断言されて、そのまま押し切られて示談してしまうケースも多いと聞きます。

 

 労働能力喪失期間は、一般に症状固定日から67歳までの年数で考え、むち打ち症の場合は、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する裁判例が多いと言われます。
 しかし、労働能力喪失期間は67歳まで認めるのが原則であるにもかかわらず、12級13号(むち打ち症以外)が認定された場合でも、相手方保険会社の担当者が労働能力喪失期間を67歳まで認めてくることは少なく、弁護士が交渉に入った時でさえ5~10年と主張してくることが多いのです(一般の方が交渉していればもっと短期間の提示になりますが・・・)。

 後遺障害逸失利益を算定する際の労働能力喪失期間というのは、5年より10年、10年より15年、15年より20年と増加するにつれて損害額が一気に増し、高額の損害賠償額を得ることが可能になります。
 なお参考程度に述べると、労働能力喪失期間を5年から20年に引き上げると、それだけで後遺障害逸失利益は約3倍に跳ね上がります。

 このような場合に、原則通り労働能力喪失期間を67歳まで認めよと主張するために参考にすべき裁判例はいくつかあり、弁護士はそのような裁判例を参考にして相手方の保険会社に熾烈な交渉をしかけます。
 具体的には、自覚症状・それを医学上基礎づける所見・その後遺障害が容易に消失ないし軽減するとは期待できないこと・仕事への影響等を主張した件では、多くの賠償額を獲得できています。

 後遺障害等級が12級13号と認定されたにもかかわらず労働能力喪失期間を5~10年、または不当にそれ以下に制限された賠償額の提示を受けた場合、安易に押し切られる弁護士が多いことは残念です。
 我々は、裁判例に沿った理論的な主張を武器に保険会社と戦います。

 どうぞ早めにご相談下さい。