新車の買換え期間中や修理期間中に、代わりの車両を使用した場合、その代車費用が損害として認められるかという問題があります。
代車費用が認められるのは、当該事故車両の使用が必要不可欠で、現実に使用した場合です。代車を使用しなくても他の公共交通機関を利用することで、特段の不利益が生じない場合には、代車費用は認められません。
次に、代車費用として請求できるのはどのくらいの期間や額が問題になりますが、「相当」な期間及び額が認められます。
どの程度の期間・額が「相当」といえるのかは、買替を要するか修理なのかという点や買替や修理に着手するまでの事情、故障車両や使用した代車のグレード・車種といった個別的具体的事情をふまえて決定されます。
これらの点が争われた裁判例をご紹介いたします。
京都地裁平成23年2月1日判決は、日常的にアルファロメオ(事故により経済的全損)を使用していた原告が代車としてアルファロメオを使用(48日間、1日2万1000円)した事案について、
①相当な期間については、「経済的全損であることが判明するまでの期間及びその終期から買替え完了までの間の代車料と解するのが相当」で、車種等も考慮すると、この期間は、通常、計1か月程度と考えられるが、修理の見積を取るのが多少遅れるのもやむを得ないと解されるとして、40日間につき代車使用の必要性を認めるのが相当とされております。
②代車費用は、1日2万1000円を「原告車の車種に照らし相当代金の範囲内」として40日間の代車料は84万円とされました。
代車費用については、争点となることが多く、お困りの際は、ぜひ弁護士にご相談してください。