こんにちは。今回は人身傷害保険の免責事由についてお話ししたいと思います。
昭和40年代には800万台程度だった自動車保有台数は、その後、増加を続け、平成25年は約10倍の8000万台を数えるようになっています(自動車検査登録情報協会)。
一方、任意保険の加入率は、70数パーセントにとどまっており、共済を含めても、85%程度と言われています。交通事故のご相談を受けていても、加害者が任意保険に加入しておらず(ひどいときは、自賠責すら切れているということがあります)、被害者が病院から手術代や入院費用等の治療費を請求されているものの、費用が捻出できないというお話を伺うことがあります。このようなご相談を受ける度に、車に乗る以上、任意保険に加入しておくべきだとの思いを強くせざるをえません。
と同時に、自らの身を守るため、ご自身が加入される際は、人身傷害(補償)保険への加入をご検討いただきたいと思います。人身傷害保険は、支払基準は相手方からの対人賠償よりは低くなります。例えば、後遺障害慰謝料についてみると、14級の訴訟基準では110万円であるのに対し、人身傷害基準だと40万円程度となっています。もっとも、実損を填補するものですから、治療費や休業損害は支払われ、加害者の保険加入状況にかかわらず治療を受けていただくことが可能となります。
人身傷害保険を使用される際、ご注意いただきたいのは、保険金が支払われない免責事由があることです。詳しくは保険会社の約款をご覧いただきたいのですが、保険会社の多くは、無免許運転の場合や薬物等で正常な運転ができないおそれがある状態で運転していた場合、更には、飲酒運転中の事故の場合等を免責事由としています。
薬物に関しては、麻薬や覚せい剤の使用中の事故であることはもちろんですが、抗精神病薬を服用中の事故が免責事由にあたるか否かが問題となりえます。
また、飲酒運転は、呼気何ミリ等と記載が無く、文言上は、わずかな飲酒でも免責事由に該当します。
加入者の身を守る人身傷害保険ですので、正しく車を利用し、まさかの事態に備えていただければと思います。