平成10年に規制緩和により任意保険が自由化される以前は、各保険会社の補償内容や保険料等は横並びの状態でしたが、保険自由化により、保険会社は新たな保険商品を自由に設計・販売することができるようになりました。

 そのような中、平成10年10月1日に東京海上火災保険から売り出され、急速に普及するとともに、今や各保険会社が追随して販売しているのが人身傷害補償保険です。

 人身傷害補償保険とは、自動車事故により被保険者が死傷した場合に保険金が支払われるものです。保険金の支払いは保険会社の基準に則るため一般的に低額になるものの、被保険者の損害の填補を目的としており、被保険者の過失にかかわらず支払われることを内容としています。したがって、被保険者は、事故直後に相手方と過失割合等の交渉を行わずとも迅速な補償を受けることができるため、まさに、被保険者のための保険といえると思います。

 もちろん、加害者が任意保険に加入しており、加害者の任意保険が迅速に対応をしてくれれば敢えて人身傷害補償保険を使用する必要は少ないかもしれません。もっとも、平成25年度の対人賠償保険の加入率は全国平均で約73%にとどまっており、4台に1台は任意保険に未加入の車両が走行していることになります。

 自身の身を守るためにも、人身傷害補償保険への加入を検討されてみられてはいかがでしょうか。