今回から、数回に分けて主に交通事故における損害について話をします。
交通事故被害において生じる損害は、大きく分けて積極損害と消極損害と慰謝料に分かれます。
積極損害とは、事故によって被害者が支払わなければならなくなった損害です。
消極損害とは、事故が起こっていなかった場合に被害者が得るはずだった利益です(いわゆる得べかりし利益)。
では、積極損害にはどのようなものがあるでしょうか。
一番簡単に思いつくものは、交通事故により自動車や持ち物が壊れてしまった場合の修理費等が考えられます。これは、いわゆる物損というものです(この他にも評価損や代車使用量等が考えられます。)。
しかし、積極損害には物損のほかにも、交通事故にあったことによる治療費等人損も生じます。
人損部分の積極損害は、類型的には主に以下のものがあります。
(1)治療費・入院費
(2)入院雑費
(3)入通院交通費
(4)付添看護費
(5)将来の介護費
(6)装具・器具購入費
(7)家屋改造費等
(8)葬儀関係費
その他、交通事故と相当な因果関係のある損害については認められることがあります。
次に消極損害ですが、消極損害には、類型的に以下のものがあります。
(1)休業損害
(2)後遺障害による逸失利益
(3)死亡による逸失利益
(1)死亡慰謝料・近親者の慰謝料
(2)入通院慰謝料
(3)後遺障害慰謝料
損害の項目については、概ね以上のとおりです。
もっとも、記載のもの以外にも相当な範囲内で損害として認められることはあります。
保険会社の言うとおりにしてしまい、損害項目自体を見落としてしまうこともよくある話です。
保険金の提示が等があった場合には、自分にどのような損害が生じているのか、上記記載に照らし合わせて考えてみることは有益だと思います。