2.治療費請求の限界
では交通事故による怪我の治療に要した治療費は無制限に「損害」として加害者に請求できるのでしょうか?
実は必ずしも無制限には認められるものではありません。
たとえば、入院に際して実際には必要でもなく医師からもそのような指示があったわけでもないのに、特別室に入院した場合については、場合によってはそれに要した費用の分は加害者より支払いが拒まれる可能性があります。
これを法律の理屈で説明しますと、交通事故の損害賠償において認められる「損害」にあたるためには、①その交通事故によって発生したものであること、それと同時に②そのような費用を要することが必要かつ相当であることが認められなければなりません。
したがって、加害者は当該費用が治療に必要かつ相当ではないとして支払いを拒んでくる可能性があるのです。