1.はじめに
皆様、こんにちは。
今日は、高速道路上の事故について考えてみたいと思います。
高速道路の通行方法等については、道路交通法上で、高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例(第4章の2)が定められており、一般道路と異なる通行方法が考えられています。また、高速道路では高速度での走行が予定されていることから事故等による危険の程度も一般道路とは著しい差があります。
2.高速道路の通行上の規制
高速道路の通行上の規制としては、例えば、次のようなものがあります。
① 本線車道における最低速度の維持
② 横断・転回・後退の禁止
③ 本線車道の通行車と本線車道への進入車との優先関係
④ 停車及び駐車の原則的な禁止
⑤ 故障時等の場合の措置
このように、高速道路では一般道路よりも高速での走行が許容されているため、高速度での走行を前提としたうえで高速道路における安全かつ円滑な走行を確保するための特例が定められています。
3.高速道路上での過失割合
このような高速道路と一般道路との違いから、高速道路上の事故について、一般道路上での事故と異なる過失割合の基準が定められています。
高速道路では、高速度での走行が許容され、事故の結果が重大となる蓋然性の高い高速道路においては、法に従って走行することが強く要求されるため、法に従わないで走行した場合の過失を重く評価する傾向にあるようです。
例えば、上記2の③のように、高速道路においては、本線車道に入ろうとする自動車(以下、「合流車」といいます)は、本線車道を通行する自動車(以下、「本線車」といいます。)の進行を妨害してはならないとされており、合流車と本線車の衝突事故では、基本的には、合流車について過失が大きいと評価されています。他方で、合流車が、既に本線車道に接続する加速車線を走行している場合には、本線車としても、合流車が本線車道に入ってくることを予想することができ、適宜減速等の措置をとることも出来るとして、本線車にも前方不注視という過失が認められることも考えられます。
このような双方の過失を考慮して、基本的な過失割合として、30(本線車):70(合流車)とされています。
もちろん、これは、基本的な過失割合ですので、本線車の急加速などの事情によって過失割合は変動し得ます。
4.最後に
高速道路では高速度での走行が許容されるため、交通事故に遭った際の危険性は、一般道路での事故よりも大きなものになると考えられます。また、過失割合についても一般道路上での事故における過失割合と異なったものが提示されることもあります。
お困りの場合には、一度、弊所へぜひご相談いただければと思います。