まず、ペットとして飼われている動物について。
 ペットは法律上、飼い主の所有物として扱われます。そのため、自動車の運転手側の不注意でペットが轢かれてしまい、ケガをしたり不幸にも亡くなってしまったときは、運転手は飼い主に対し、損害を賠償する責任を負う場合があります(※ なお、人がケガをしたり亡くなったりした場合との異同については、話が長くなるので本稿では割愛します。)

 逆に、飼い主の不注意(リードをつけていなかったために犬が道路に飛び出したような場合)により、運転手が急ハンドルを切るなどして、交通事故を引き起こしてしまったような場合には、その過失の程度に応じて、飼い主が損害賠償責任を負わなければならない場面もあり得ます。個賠(個人賠償責任保険)への加入がよく勧められるのは、このような想定外の事態に備えてのことでもあるわけですね。

 このように、ペットがらみの交通事故は、一応「相手方」を観念することができます。