こんにちは。全国的に大雪の一日ですね。
 事務所のある西新宿も、先週に引き続いて一面真っ白な世界です。
 皆様、足元にはどうぞお気を付けくださいね。

 今日は、相続問題にも忍び寄る高齢者社会のお話をします。
 高齢化社会がますます進み、亡くなった方(被相続人)だけでなく、その遺産を受けつぐ相続人の方も高齢の方というケースがとても増えています。
 ここで、相続人が高齢者の場合にどのような問題が起こりうるのか、簡単に見てみましょう。

 相続の手続きは非常に煩雑です。
 まず、亡くなった方の戸籍を生まれたときから亡くなった時まで、全て取り寄せ、相続人の範囲を確定します。
 そして、亡くなった方の現金、預金、不動産などの財産を整理して相続財産を確定します。
 その後、相続人間で分割の方法について協議し、合意ができればその合意に従って分割をします。

 戸籍や役所の書類、銀行書類などはとにかく細かい字が多く、それぞれの手続きにおいて署名、住所の記入や、押印などが要求されるため、ただでさえ高齢者には辛い作業となります。

 このとき、亡くなった方の財産といっても負債ばかりで、相続放棄をしなければならないような場合には、原則として3カ月以内には相続放棄の手続きをしなければなりません。通常、葬儀や身の回りの最低限の整理だけでも1

弁護士 井上真理