団塊の世代が65歳を迎え、翌年(2013年)には日本人口の4人に1人、2035年には3人に1人が65歳以上となる時代が迫っています(平成24年度版 高齢社会白書)。

 2012年度の平均寿命は男性が79.64歳、女性が86.39歳であり、日本は世界有数の長寿国です。一方で、厚生労働省の調査では、自立して健康に生活できる期間である健康寿命は、男性70.42歳、女性は73.62歳という結果となっており(厚生労働省「次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会報告」)、左記の統計からすると、介護を受けたり寝たきりになったりする期間が、男女ともに10年前後あることになります。

 家族の介護は、報酬のために行われるものではないでしょうが、無償の愛の名の元に、介護者が全く報われない状況もいかがなものかと思います。「親の介護を担った子どもは、遺産分割にあたり、遺産を多く受け取るべき」というのが多くの方の感情なのではないでしょうか。

 では、法律的にはどのように考えればよいのでしょうか。