こんにちは。
相続ブログが始まりましたが、相続問題はまさに誰にでも起こりうる法律問題として大変身近な問題であると思います。
かくいう私も、広い意味での相続問題に巻き込まれ、裁判沙汰になったことがあります(実は、これが弁護士になろうと思ったきっかけの一つでした。)。
かいつまんでお話しますと、私の祖母は、祖母より15年ほど前に亡くなった祖父の退職金をほとんど使わずに大事にしまい、普段は田舎の自宅で年金暮らしをしていました。
そして、祖母が亡くなった時、祖母の近所で暮らしていた親戚の一人が、この退職金について、「祖母が、亡くなる前に『自分に何かあったらこれはあなたにあげる』と言っていた」と、死因贈与を主張しはじめました。
その親戚は祖母の相続人とはならない人なのですが、入院と葬儀等のどさくさに紛れて、主張した財産の一部を既に持って行ってしまったため、相続人の私たちは、これを返せ、と裁判をしなければならなくなりました。
祖母の子は父一人だけ、つまり相続人は父以外にありえないため、私もまさか祖母の相続でもめることになるとは考えてもいませんでした。
しかし、この経験を通じて、相続問題は本当に誰にでも起こり得る問題なんだなあと実感しました。
(ちなみに、この事件はこちら側の勝訴に近い和解内容で終了しました。)
自分の家は、争うような資産もないから大丈夫、と考える方も多いと思いますが、定年を過ぎても元気な方があふれている高齢化社会の日本において、退職金やローンの支払い終わった自宅不動産だけでも、相続する者にとっては決して少ない価値ではなく、相続争いは起こりえます。
また、相続問題は、単に金額の多寡だけではなく、親族間の長年の感情なども巻き込む問題であるため、非常にエネルギーを使う問題でもあります。
このように、相続問題は、 私個人としても思い入れの深い法律問題ですので、自分の経験も活かしつつ、最善の結果を求めてご依頼者様のために努力しようと思います。よろしくお願いいたします。
弁護士 井上真理