はじめに

 今回は、遺産(不動産)に相続人の一人が居住できるのか、居住できるとして賃料を支払う必要があるのかという点について、書いていきます。なお、イメージが湧きやすいように、以下の事例をもとに書いていきます。

事例

 子Bは、父Aの世話をしながら、A所有の自宅不動産(以下では、「Aの自宅」といいます。)で、Aと同居していました。Aには、Bの他に子C、子Dが居ます(なお、母は、既に死亡しているものとします。)。
 ある日、Aが死亡してしまい、B~DがAの財産を相続し、Aの自宅を共同で相続しました。C及びDは、Aの自宅に住んでいるBをよく思っておらず、自分達にも居住する権利があるはずとして、Bに対し、Aの自宅の明渡しを求めました。また、明渡しまでの間の賃料相当額の金銭の支払いを求めました。
 C及びDの請求は、認められるでしょうか。