1.遺言執行者って何?
遺言執行者とは、その名のとおり、遺言に書かれている内容を、実行する権限を有する者です。例えば、ある不動産を遺贈する旨の遺言が残されていたとして、不動産の名義を変えるには、所有権移転登記手続を行う必要があります。
遺言執行者は、相続人全員の代理人として遺言内容を執行します。その選任方法は①遺言者が遺言で指定する場合(民法1006条、1007条、1008条)、②利害関係人の請求により、家庭裁判所が選任する場合(民法1010条)の二つです。
ここでは、遺言で、あなたが遺言執行者に指定されていた場合について、お話ししたいと思います。
2.遺言執行者をやりたくない場合は?
遺言執行者に指定された者は、これを拒絶することもできます。反対に就任を承諾した場合、その任務は直ちに行わなければなりません(民法1007条)。
承認するか拒否するのかが不確かなまま放置してしまうと、相続人や利害関係人から就職の催告がなされることもあります。相続人や利害関係人は、遺言執行者に指定された者に対し、相当の期間を定めて、就職を承諾するか否かを確答すべき旨の催告をすることができるのです。
この催告に対し、期間内に返事をしないと就職したものとみなされてしまいます(民法1008条)。一旦就任してしまうと、その辞任には正当事由が求められますのでご注意ください(民法1019条2項)。