こんにちは。長谷川です。
最近、面白い記事を読みました。
中国で精神的浮気を理由とする離婚判決が出たというものです。
「精神的浮気??」
それって一体何なんでしょう・・・。
浮気って普通、婚姻外の相手と肉体関係をもつことですよね。それが「精神的」とは?
配偶者以外の人と肉体関係をもつことを空想(妄想?)するってことかしら?? そんな妄想してる人なんていっぱいいるような・・・。
・・・等々、色々と想像を巡らせながらニュース記事を読んだところ、次のような内容だと分かりました。
すなわち、妻のある男性が、ネット上で知り合った女性とチャットを行うようになり、そのチャット上で、男性はその女性が妻であるかのように接していたそうです。ただし、このチャット期間は僅か2ヶ月、しかも実際に会ったことはなかったということでした。
まあ、真の奥さんの立場からすると「許せない」ってなるんですかね。ただ、期間の短さを考えると、それだけで、離婚請求を認めてしまうというのもなあ・・・。
しかし中国の裁判所は、この夫が「精神的な浮気」をしているとして、離婚を認めたわけです。
ちなみにこの記事によると、中国ではインターネット上で知り合った男女が架空の婚姻関係に発展するサイバー夫婦が増えているとのこと。そしてサイバー夫婦関係により、リアル夫婦関係が破綻してしまう事例も多いらしいです。なので、こういった社会背景も判決に影響したのかもしれませんね。
でもこういった精神的浮気が直ちに離婚理由になってしまうとすると、その射程範囲がどこまでなのかによっては、ちょっと怖いですよね。
だって、極端な話をすれば、心の中で配偶者以外の人間を「ちょっといいな」とか「素敵だな」とか想っていて(勿論、「憧れ」レベルですよ。バリバリの恋愛感情だと、5号の離婚事由に当たってしまう可能性がありますから)、でも、不貞にまでは至っていない場合にも、そういう感情が配偶者に知られて「許せん!」となったら、離婚が認められるっていう結論になりうるわけですよね。
更に更に、これが例えば恋愛シュミレーションゲームみたいなものだったら、どうなるんでしょうね。妻(又は夫)が恋愛シュミレーションゲームにはまっていて、夫(又は妻)そっちのけで、ゲームの恋愛対象キャラに萌えてしまっていたら・・・??
そういうのもぜーんぶ離婚理由になりうるとしたら、何だか、とっても息苦しい人生ですね。聖人君子じゃあるまいし・・・
やっぱり、何事もほどほどに真面目・ほどほどに適当ってのが、楽しく心地良いのになあ、と思ってしまいました。
おしまい
弁護士 長谷川 桃