こんにちは。今日は離婚にともなって子どもに関して生じうる手続きについてのお話です。

 離婚の際には未成年者の子がいる場合、親権者を決めなければなりません。

 夫婦間の話合いで親権者を決めることができれば問題はないのですが、両者が親権を争う場合親権者をどちらにするかの争いがまず考えられます。話し合いで決められない場合には、親権者指定の調停という手続きがあります。調停でも決まらない場合には審判手続きがあります。

 ここで親権者を決める判断基準として、
 ①監護の継続性
 ②子の意思の尊重
 ③母親優先の基準
 ④兄弟不分離等があります。

 未成年者が幼い場合には、より母親のそばで育てるのが子の福祉にかなうという考え方が古くからあるようですが、最近ではいわゆる「イクメン」の父親の方が子供を直接監護していて育児に向いているケースもありますので一概に母親優先とは言えなくなってきていると思います。

 また、一度親権者が決まった後にも、親権者変更の調停、審判という手続きが用意されています。親権者が育児を放棄していたり、未成年者に虐待している事実が発覚したような場合が典型例です。

 次に親権者が決まれば養育費の問題が生じます。養育費についても争いが無ければ夫婦間で決めることができますが、話し合いで決まらない場合には、調停、審判という手続きが用意されています。

 また、離婚の際に親権者となった親が他方の親に対して子の引渡し請求をするといったトラブルも少なくないです。この場合に考えられる手続きは、家事事件手続別表2③「子の監護に関する処分」として、審判申立てによって子の監護者の変更及び子の引渡しを請求することになります。

 別居中の夫婦の一方から子を手元において監護している他方に対して子の引渡し請求をすることも考えられます。

 この場合夫婦の両方が親権者であるのですが、子の引渡しを巡って争う別居中の夫婦は事実上の離婚状態にあることなどを根拠に子の監護に関する処分の一態様として、前述の家事事件手続別表2③の類推適用により審判事項となるとの見解が多数説になっています。